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2月, 2022の投稿を表示しています

AKA博田法の論文

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  AKA博田法の効果を検証した研究が、 インパクトファクター つきの論文に掲載されていることがわかりました。    これは、RCTという、研究の中でも科学性の高い手法で検証されたものになります。  対象者は慢性疼痛(1年以上症状が続いている方)を有する患者さんで、介入が6カ月期間という縦断的な研究がなされておりました。すごい取り組みですね。  群分けとして、AKA博田法を実施するグループと、偽AKA博田法を実施するグループに分けられておりました。  結果、AKA博田法を実施したグループの症状が緩和しておりました。  アウトカム指標の詳細は割愛しますが、概ね主観的指標が多かったので、今後は筋電図や筋硬度、超音波検査などで立証すると、よりAKA博田法のすばらしさが目に見えるようになるのではないかと期待してしまいます。  また面白いことに、AKA博田法による腰痛や筋の脱力等の副作用を示した参加者が若干いたそうですが、統制群の偽AKA博田法でも同等の副作用を示した方がいたというのです。  おそらく、触れられることや参加者の知識による心理的バイアスの要因が含まれている可能性がありそうです。心理学は、こうしたバイアスを逆に利用して、患者さんの治療を行うこともあります。そういった意味では、これは非常に重要な知見となりそうです。    今回、筆頭者がAKA博田法を実施していたこと、単盲目試験であったことから、実施者側のバイアスが参加者に影響を与えている可能性は否定できなかった点もあるかと思いますが、今後の課題として更に研究、そして成果を明らかにしていただきたいものです。 引用文献:Kogure A, Kotani K, Katada S, Takagi H, Kamikozuru M, Isaji T, Hakata S. A Randomized, Single-Blind, Placebo-Controlled Study on the Efficacy of the Arthrokinematic Approach-Hakata Method in Patients with Chronic Nonspecific Low Back Pain. PLoS One. 2015 Dec 8;10(12):e0144325. doi: 10.1371/journal.po...

水分摂取量によって、体温の上昇、血圧低下、血中老廃物の除去、そして腎機能の保護作用を強化する!?

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  水分摂取によって、さまざまな健康効果をもたらすこと論文をみつけました。  この研究は、健康な成人男女55名を対象とし、12週間にわたって習慣的な水分摂取量に加えて、起床後及び就寝前に水を摂取させ、健康効果を検証したものになります。    また、この研究はRCT試験で行われており、水分摂取を増加させたループと、普段通りの水分摂取を送ったグループに分けられています。  結果として、水分摂取を増加させたグループは、体温の上昇、血中の尿素窒素濃度低下、糸球体濾過量の低下が抑制したことがわかりました。   体温の上昇は、免疫機能を高める効果につながります。  腎の正常な機能により、血中老廃物を除去してくれます。  血圧の低下や血中老廃物の除去は、血流の流れを増進させることになり、手足の冷えが改善する可能性が期待されます。当たり前ですが、心臓や脳にとても良い効果を示すことも期待される貴重な資料になりますね。  そして何よりうれしいのは、対象者が日本人であったこと。この知見は、日本人に見合っていると考えることができそうです。    当店をご利用いただいている多くの方は、もしかしたら水分摂取量が少ない可能性があるかもしれないですね。  その他にもいろんな効果があるかと思いますので、これに関する知見について日々チェックし、当店でも多くの方にアドバイスできるように努めていきたいと思います。 引用文献 Nakamura Y, Watanabe H, Tanaka A, Yasui M, Nishihira J, Murayama N. Effect of Increased Daily Water Intake and Hydration on Health in Japanese Adults. Nutrients. 2020 Apr 23;12(4):1191. doi: 10.3390/nu12041191. PMID: 32340375; PMCID: PMC7231288.  

農薬を落としてくれる優れもの

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  私の知り合いが、なんと野菜や果物の農薬を落とす商品を教えてくれました。  できるだけ野菜や果物は有機のものを食べるようにしていますが、どうしても手に入らないことがあります。  国内では、無農薬の果物を入手することが困難です。特にむき出しのまま食べるイチゴなどの果物は、農薬の使用量が多いと懸念されており、表面を削ることもできません。  今回紹介してもらった商品は、「 安心やさい 」というホッキ貝の殻から作られた洗浄剤です。これを水と野菜や果物と一緒に浸け置きすることで、農薬を除去できるとのことでした。  最初は半信半疑でしたが、スーパーで購入したイチゴで試してみました。すると、白い油状の物質が浮上し、驚きました。この物質が農薬であると断定することはできませんが、洗浄効果を実感しました。  洗浄前と洗浄後を比較すると、違いがはっきりとわかりました。  この商品は、私にとって大変役立つものとなりましたが、あくまで個人的な感想です。農薬の除去効果を保証するものではありません。

片麻痺患者に対するテーピング効果の可能性について

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  キネシオロジーテーピングにより、片麻痺の肩の痛みや筋活動に変化をもたらしたという論文がありました。  下記図の方法で、①棘上筋、②三角筋中部線維、③小円筋、④三角筋前部・後部線維に対してキネシオテーピングを張り付けています。  この方法を行った後も筋の良好な反応がしばらく続いたという報告でした。  私たちが患者さんにかかわる時間は、一日のうちのほんのわずかです。私たちが離れた後も、テーピングによる刺激効果があれば、患者さんの普段の生活をサポートすることになり、さらにリハビリ効果も期待できそうです。  ただし、テーピングを張り続けていると、人によっては、皮膚のかぶれを起こすリスクがあります。テーピングの性質は日々良くなっていますが、この点だけは注意が必要ですね。  でも、テーピング自体のコストは低く、危険性も低いため、さまざまな方向から検証していくことは、臨床に導入するうえで、非常に有用な知見となりそうです。  また、この論文によると、アームスリングは、肩の脱臼や運動の制限を助長させてしまう可能性があるようです。これを装着することによって、肩甲上腕関節や肩甲骨の位置が亜脱臼の原因となる不良なアライメントをつくることになると、この著者は主張しています。  麻痺側肩の管理という観点からも、テーピング技術の向上が期待されます。  Yang et al(2018)で実施されたキネシオテーピングの実際 引用文献 Yang, L., Yang, J., & He, C. (2018). The Effect of Kinesiology Taping on the Hemiplegic Shoulder Pain: A Randomized Controlled Trial. Journal of healthcare engineering, 2018, 8346432. https://doi.org/10.1155/2018/8346432

痙性について

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  痙性について論じた文献を読む機会がありましたので、この内容について紹介させていただきます。    痙性は上位運動ニューロン障害によって引き起こされると言われておりますが、実際には複雑でさまざまな要因が絡み合っているようです。  まず痙性は速度に依存するといわれます。しかしこの報告によると、伸張を維持した状態においても、筋が収縮を続けることがある、とのことでした(下記図参照)。  痙性は一般に動的なもので発生すると考えられていましたが、静的な状態でも等尺性に緊張しているようですね。つまり、動かず静止している状態なのに筋肉が活動し続けている、ということになります。  一方、痙性は、速度依存とは別に長さに依存する特徴を有しています。    ある程度筋の長さがつくられると、痙縮による抵抗が減少します。しかしながら、特に上肢の屈筋や、下腿三頭筋の長さを求めた場合は、むしろ痙縮が強くなる傾向にあることが明らかにされています。  なるほどたしかに臨床では、頻繁に経験します。  痙性のもう一つの原因として、筋の短縮や運動の減少によるものが挙げられました。  このことは、上位運動ニューロンの問題に加え、脊髄レベルで痙性を発生させてしまう可能性を示唆しています。  だから今回に挙げたような速度依存性、長さ依存性の問題が生じる可能性があると考えられました。  この論文によると、このような痙性には、セラピストの徒手誘導・スプリントによる長時間のストレッチ、そして積極的に運動することが重要です。  臨床では、少しでも気を緩むと痙性に引っ張られてしまうことがあります。    慎重に・丁寧に関わり、当該筋の持続的な伸長を加えていくこと、そして固定する部位をつくらないよう、積極的に動いていく機会を作っていくことが大切だと思いました。  この論文とは別に、私はさまざまな刺激で痙性が弱まることを経験してきました。  その刺激とは何か、方法は?    その方法と効果は人それぞれでした。つまり、決まりきった方法はいまだかつて見いだせていません。  私のセンスの低さも十分考えられますが、痙性とはとても奥深く、その方の特徴を踏まえ、いろんな観点から模索していくことが解決の糸口になるのではないかと改めて考えるようになりました。  心理、睡眠、痛み、栄養等・・・    今回の知見に加え、その方の痙性が...

東洋医学 ツボについて

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 東洋医学で有名な名称として、気の流れ、すなわち経絡・経穴があげられます。    東洋医学はたしかに効果があるようです。私も実際にお灸を受けて、腰痛が軽減した経験があります。  しかしながら、人体をいくら解剖しても、気や経絡の存在は確認できていません。気や経絡を科学的に立証することは、現段階では限界があるようです。  ただし、最新の研究により、東洋医学には新たな視点が生まれているようです。  ある箇所を押すことによって、臓器の血流量が挙がった、というものです。  よくツボの場所が明記された本が多くありますが、ある身体部位が選択的に当該臓器にリンクしているかどうかは、私が確認する限りそのような知見はみあたりませんでした。  現段階で私が先行研究で確認できたことは、 ある部位を刺激することにより、 ①脳に刺激がいき、ある痛みに反応する脳の働きを鈍らせること ②血液が圧迫されることによって、血管が拡張すること ③①、②によって自律神経活動が変化すること が起きている可能性が示唆されていることです。  これによって、さまざまな臓器の血管にも何らかの変化が起きたものと考えることができそうです。  もしかしたら、本当に身体と臓器の部位が選択的に関連している可能性があるかもしれません。これが明らかになれば、診察の判断材料として有用な知見になるかもしれません。  医者ではない私たちも、ある部位を押すことによって、臓器の異常が発見できれば、病気の早期発見につながる可能性があります。  当店につきましても、このように明らかにされている知見については、積極的に導入し、多くの方に貢献できるように、日々の追求を続けていきたいと思います。  下記の図は、足裏の反射点として記載されています。超音波技術によって、臓器の動きや血液量の働きが直接みえるようになってきたので、今後も東洋医学のさらなる発展が期待されます。 野澤 奈央ら(2017)より引用

コロナを撃退 紅茶・お茶の効能について

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 最近、紅茶およびお茶の抽出物が、新型コロナウイルスの不活性化に効果的であるとする研究結果が発表されました。  この研究は、口腔内におけるウイルスの活性を低下させる可能性を示唆しており、飛沫感染リスクの軽減に繋がる可能性が注目されています。 1.研究内容の概要  Ishimoto ら(2022)の研究によると、紅茶やお茶の抽出物を用いることで、コロナの活性を効果的に低下させることが分かりました。この効果は、紅茶やお茶の濃度が薄くても発揮される可能性があることも示唆されています。 2.口腔内ウイルスへの効果  この研究は、主に口腔内におけるウイルスの不活性化効果に焦点を当てています。口腔内でのウイルス活性が低下することで、飛沫感染によるウイルス拡散のリスクを低減できる可能性があります。 3.身体を温める効果との関連性  紅茶には、身体を温める効果があるといわれています。身体を温めることで免疫機能が向上し、間接的にウイルス感染を防ぐ効果があることが期待されています。 4.ワクチンとの関連性  新型コロナウイルスワクチンは、血中抗体産生を目的としています。 口腔内や肺への抗体産生を直接的に促進するものではありません。 紅茶やお茶の摂取が、ワクチン接種による免疫獲得を補完するとは、この研究からは示唆されていませんが、 紅茶やお茶が持つ抗ウイルス作用が、口腔内でのウイルス不活性化に効果をもたらすことが期待されています。 5.幅広い年齢層への活用可能性 ノンカフェインの紅茶も存在するため、子どもから高齢者まで幅広い年齢層で活用できる可能性がありますね。 引用文献 Ishimoto, K., Hatanaka, N., Otani, S., Maeda, S., Xu, B., Yasugi, M., Moore, J. E., Suzuki, M., Nakagawa, S., & Yamasaki, S. (2022). Tea crude extracts effectively inactivate severe acute respiratory syndrome coronavirus 2. Letters in applied microbiology, 74(1), 2–7. https://doi.org/10.1111/lam.13591

ムクナ豆の効果について(抗パーキンソンに期待)

 ムクナ豆は、様々な健康効果が期待される注目の食材です。  抗酸化作用や抗炎症作用に加え、パーキンソン病の治療薬として用いられる L - ドーパを含んでいることでも知られています。  しかし、その効果にはまだ不明な点も多く、今後の研究が必要です。この記事では、ムクナ豆の潜在的な効果と、摂取にあたっての注意点を述べさせて頂きます。 1.ムクナ豆の潜在的な健康効果  ムクナ豆は、抗癌作用、抗ウイルス作用、抗菌作用、抗炎症作用、抗高血圧作用、抗パーキンソン作用、抗酸化作用、神経障害改善作用など、多様な健康効果が期待されています。特にインドでは、古くからリウマチ、結核、痛風、腫瘍、糖尿病などの治療に用いられてきた歴史があります。 2.L - ドーパと脳機能  ムクナ豆に含まれる L - ドーパは、パーキンソン病の治療薬としても用いられています。L - ドーパは、脳内神経伝達物質のドーパミンの前駆体であり、脳機能の調整に重要な役割を果たすといわれています。 また、心臓、血管系、腎臓の機能にも影響を与える可能性が示唆されています。 ただし、L - ドーパの作用機序や効果については、更なる研究が必要と考えます。 3.精神的疲労とムクナ豆  精神的疲労が蓄積した際にムクナ豆を摂取することで、L - ドーパによる脳機能の調整効果が期待できるかもしれません。しかし、これはあくまで可能性であり、科学的に証明されたものではありません。 効果を実感するには、個人の体質や摂取量、継続期間など様々な要因が影響します。 4.栄養価の高さ  ムクナ豆は高タンパク質食品であり、栄養価も高く、健康的な食生活に役立ちます。 5.今後の研究の必要性  ムクナ豆の健康効果に関する研究は、まだ十分とは言えなさそうです。ムクナ豆を摂取する際には、専門家の意見を参考に、適量を守ることが重要です。 6.当店について  当店では、ムクナ豆をはじめとする様々な食材の栄養価や健康効果に関する情報を、常に最新の情報に基づいてお客様にお伝えすることに努めています。 引用論文 Pathania R, Chawla P, Khan H, Kaushik R, Khan MA. An assessment of potential nutritive and medicinal properties of Mucuna prurie...