骨粗鬆症と体幹筋の関係性:超音波検査による新たな知見
高齢化社会において増加の一途を辿る骨粗鬆症。
骨の痛みや骨折のリスクを高めるこの病気に対し、新たな視点が示された論文を紹介します。
この研究では、超音波検査を用いて、骨粗鬆症の女性における体幹の筋肉の状態を詳しく調べておりました。
研究方法:
20 代から 80 代までの女性 91 名を対象に、超音波検査で腰部と腹部の筋肉を調べました。参加者は、20 代の健康な女性(対照群)と、50 代、60 代、70 代以上の骨粗鬆症患者(3 つのグループに分けられました)に分けられました。
研究結果:
骨粗鬆症患者では、健康な女性と比べて、体幹筋の厚さが薄く、エコー強度が高くなっていました。エコー強度が高いということは、脂肪が筋肉に浸潤している可能性を示唆しています。
骨粗鬆症患者のグループ間では、年齢が高いほどコア筋の厚さが薄くなっていました。
超音波画像では、健康な女性の筋肉はふっくらとしていましたが、骨粗鬆症患者では筋肉が痩せて見え、エコー強度が高く、筋肉と筋膜の境界が不明瞭になっていました。
腹直筋や腹横筋では、波状の線状エコーが見られ、筋肉の緊張が低下していることも分かりました。
この研究が示唆すること:
この研究は、骨粗鬆症の女性では体幹筋の質が低下しており、超音波検査でその状態を評価できることを示しています。重力が筋肉を通して骨に伝達されることで、骨を刺激し、骨形成を促進すると考えられていることから、体幹筋の強化は、骨粗鬆症の予防や治療に重要な役割を果たす可能性があります。
とても興味深い研究ですね。当店においても、体幹筋である腹横筋の強化がどのような効果をもたらすのか、心身の観点から検証しております。
骨粗鬆症患者の体幹筋エコー画像(下記論文から引用)
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