論文掲載のお知らせ! Literature Review on Professional Identity of Occupational Therapists in Japan -Through scoping review-
この度、当店スタッフが執筆した論文「Literature Review on Professional Identity of Occupational Therapists in Japan -Through scoping review-」が受理されました!
この研究は、日本の作業療法士のアイデンティティに関する文献の研究を行ったものです。
アイデンティティとは、単なる社会的役割や好悪、性別、年齢によるものではなく、それらが複雑に絡み合い、時間や状況によって常に変化する流動的な存在と言われています。
人は、アイデンティティを確立するために様々なものを消費する、というエックハルト・トールの指摘は、私たちが「概念化された現実」に囚われやすいことを示唆しています。
しかしながら、真のアイデンティティは、そのような表面的な満足感ではなく、より深い自己理解と自己受容の上に成り立つのではないかと考えられます。例えば、高級車や高級腕時計、流行りの服を消費し、モノを通じて自分自身を発見しようとする行為は、真の自己探求とは異なる、一時的な満足感に過ぎない可能性があると指摘されています。
当店は作業療法士が在籍していますが、作業療法士という職種は多種多様であり、その多様性ゆえにアイデンティティの揺らぎを感じやすい職業であると言及されています。
近隣領域である看護師や理学療法士との役割がオーバーラップする部分もあり、作業療法士の独立性、専門性が曖昧になり、近隣職種との役割重複による専門性の曖昧化、それに伴うモチベーション低下、ひいてはやりがいの喪失が危惧されています。
それこそ、多様なニーズへの対応に追われ、自己実現感が欠如してしまう点も否めません。
今回採択された論文は、国内における作業療法士のアイデンティティについて、スコピングレビューという手法を用いた文献研究を行ったものです。繰り返しますが、アイデンティティは職業だけでなく、個人の価値観、経験、人間関係など、多様な要素が複雑に絡み合って形成されるものと考えられています。
この研究を通じて、作業療法士という職業は、特に対象者や他職種との相互作用することで、個々の作業療法士のアイデンティティを形作っていると考えられました。
ただし、この研究だけでは作業療法士のアイデンティティについて決定的な結論を導くには不十分であり、個々の作業療法士の背景や専門領域を踏まえた、さらなる分析・研究が必要になります。
このように作業療法士のアイデンティティに触れましたが、私たちがかかわる対象者の皆さんを分析するにあたり、対象者のアイデンティティ形成を理解するための重要な知見となります。
エックハルト・トールが指摘するように、私たちは知らず知らずのうちに、体の一部が不自由になった「障害」というものを「強調」して、対象者の「概念化されたアイデンティティ」を形成してしまっている可能性があるということを常に意識しなければなりません。
こういった側面を踏まえて、対象者自身が真のアイデンティティと向き合い、自己受容と自己実現を達成できるよう支援することが、私たちの使命ではないかと考えています。
本研究の成果を活かし、当店では、対象者一人ひとりのアイデンティティを尊重し、より質の高いアプローチを提供できるよう、日々研鑽を積んでまいります。
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